タイ東北部20県の特徴まとめてみた【イサーン地方】

タイの魂とも呼ばれるイサーン地方は、素朴でありながら力強い文化が根づく大地です。メコン川の恵みと乾燥した高原地帯が生み出す独特の環境の中で、人々は困難を乗り越えながら豊かな精神性と独自の生活文化を育んできました。


タイ東北部の特徴
イサーン地方は、コラート高原を中心に広がる農村地帯で、ラオスやカンボジアの影響を受けた独自の文化が特徴です。古代の農耕文明やクメール王朝時代の遺跡が点在し、奥深い歴史を感じることができます。また、イサーン料理や伝統音楽など、独自の文化も魅力です
- 文化的アイデンティティ: ラオス系の文化とクメール遺跡が混在する多様性
- 音楽と舞踊: モーラムやカンタルムなど、心に響く民族音楽
- 食文化: 辛くて酸っぱい味付けが特徴的(ソムタム、ラープなど)
- 伝統織物: 美しいシルク織物と藍染めの技術
- 祭りと行事: ロケット祭り(ブンバンファイ)など、雨乞いの伝統的祭事

ロケット祭り、ゾウ祭り気になっています。
🌟 主要観光県
ナコーンラーチャシーマー(นครราชสีมา)

- 通称コラート。東北部の玄関口として多くの旅行者が訪れる
- カオヤイ国立公園へのアクセス拠点で、野生動物観察の起点
- プラサート・ヒン・パノムルン遺跡群などクメール文化の宝庫
おすすめポイント: 世界遺産のカオヤイ国立公園での象やサルとの遭遇体験。古代クメール建築の精巧な石彫りは必見です。

バンコクから車で3時間。グランピングして緑に囲まれて来ました!
ウドンターニー(อุดรธานี)
- 世界遺産バーンチェン遺跡で5000年前の青銅器文明に触れる
- 蓮の花が湖面を彩る美しい光景
- ラオス・ビエンチャンへの国境越えの重要な玄関口
おすすめポイント: 古代文明の謎に迫るバーンチェン博物館と、早朝の蓮の花観賞がセットで楽しめます。

蓮の花の時期は12~2月頃!
コーンケーン(ขอนแก่น)
- 東北部最大の教育都市で、現代的な発展と伝統が調和
- 高品質なタイシルクの生産地として国際的にも評価
- 周辺には恐竜の化石が発見された場所もあり、家族連れに人気
おすすめポイント: シルクファクトリー見学と、地元大学生との文化交流プログラムが人気です。

恐竜の街!
🏛️ 歴史・古都県
ブリーラム(บุรีรัมย์)
- タイリーグ王者のサッカーチームで地域経済が活性化
- パノムルン遺跡の日の出・日の入りは年2回ずつだけ見られる神秘的光景
- 現代スポーツと古代遺跡が共存するユニークな文化
おすすめポイント: 3月・10月の春分・秋分の日にパノムルン遺跡で見る日の出は一生の思い出になります。

日の入 3月5日~7日 17時頃、10月5日~7日 18時頃
日の出 4月3日~5日 6時頃、 9月8日~10日 6時頃
スリン(สุรินทร์)
- 11月の象祭りは世界最大級のゾウのパフォーマンス
- クメール系住民との象の共生文化が今も息づく
- 高級シルクの手織り技術が代々受け継がれる
おすすめポイント: エレファント・ビレッジでは、象の飼育方法やショーなど見られる。
シーサケート(ศรีสะเกษ)
- カンボジア国境のカオ・プラ・ウィハーン遺跡
- ラオス・カンボジア文化が混在する国境地帯の独特な雰囲気
- 素朴な田園風景と地元住民の温かいもてなし
おすすめポイント: 国境の崖上に建つカオ・プラ・ウィハーン遺跡からの絶景は圧巻です。
🌿 自然・静寂県
ウボンラーチャターニー(อุบลราชธานี)
- 東北部最大の県で、ラオス・カンボジア両国境に近い立地
- 7月のキャンドルフェスティバルは仏教文化の粋を集めた祭典
- サームパンボークの奇岩群はメコン川が生んだ自然の芸術品
おすすめポイント: 乾季のサームパンボークでの川底歩きは、まるで月面を歩くような不思議な体験です。
チャイヤプーム(ชัยภูมิ)
- 12月〜2月のタップブック花畑は一面のピンクカーペット
- 標高が高く東北部では珍しい涼しい気候を楽しめる
- 山岳民族の文化と高原野菜の美味しさも魅力
おすすめポイント: 花畑での写真撮影と、高原で育った甘いトウモロコシがおすすめです。

5月~7月ピンクのグラチャオ(クルクマ)など花がみどころ
ルーイ(เลย)
- 「タイで最も涼しい地」として12月には気温0度近くまで下がる
- 6月のピーターコン祭りの色とりどりの仮面は悪霊払いの伝統行事
- 観光地化が進んでいない素朴な田舎の原風景
おすすめポイント: 冬季の朝霧に包まれた山々の景色は、タイにいることを忘れさせる幻想的な美しさです。

仮面祭りのピーターコン祭り、ヴェネツィアみたいで楽しそう
🏞️ 秘境・国境県
ナコーンパノム(นครพนม)
- メコン川沿いの絶景ポイントで対岸のラオスを一望
- ベトナムのホーチミン主席ゆかりの地として歴史的価値も高い
- 夕暮れ時のリバーサイドプロムナードは東南アジア屈指の美景
おすすめポイント: サンセットクルーズでメコン川に沈む夕日を眺めながらのラオス料理ディナーが絶品です。
ムックダーハーン(มุกดาหาร)
- タイ・ラオス第2友好橋でサワンナケートと直結
- インドシナ市場での国境貿易商品の買い物が楽しい
- 川沿いの町並みに漂う異国情緒とノスタルジー
おすすめポイント: 市場でのラオス雑貨探しと、川辺のカフェでのメコン川眺めが旅の醍醐味です。
ノーンカーイ(หนองคาย)
- ラオスのビエンチャンまで車で30分の国境アクセス最前線
- タイ・ラオス友好橋第1号橋の歴史的意義
- 仏教の聖地としてタート・ルアン伝説が残る神秘の地
おすすめポイント: 早朝の托鉢見学と、友好橋での日の出観賞で両国の絆を感じられます。
ブンカーン(บึงกาฬ)
- 2011年設立のタイで最も新しい県
- カオ・クラドゥンの奇岩群は自然が作り出した芸術作品
- アドベンチャーツーリズムの新たな聖地として注目
おすすめポイント: ロッククライミングと洞窟探検を組み合わせたアクティビティが冒険心をくすぐります。
🕊️ その他・穏やか県
ヤソートーン(ยโสธร)
- 5月のロケット祭り(ブンバンファイ)は雨乞いの伝統行事
- 農民の信仰と祭り文化が現代まで脈々と受け継がれる
- タイ農村社会の原点を体感できる貴重な地域
おすすめポイント: 祭りの時期に村人と一緒にロケット作りに参加する体験は忘れられない思い出になります。

スイカの産地らしい🍉
ローイエット(ร้อยเอ็ด)
- 高さ67メートルの巨大仏像プラ・プッタラッタナ・モンコンが県のシンボル
- ブンパーウェート湖での静かな散策と瞑想体験
- 穏やかな農業地帯で地元住民との交流が温かい
おすすめポイント: 巨大仏像の内部見学と、湖畔でのサイクリングがリラックス効果抜群です。
マハーサーラカーム(มหาสารคาม)
- マハーサーラカーム大学を中心とした静かな学園都市
- 観光地化されていない分、地元の日常生活を垣間見られる
- 伝統的な市場と現代的な大学施設のコントラスト
おすすめポイント: 観光地としてはまだあまり知られていないため、静かにイサーンの伝統文化を楽しめます。
カラシン(กาฬสินธุ์)
- 恐竜化石の一大産出地として古生物学的に重要
- サイリアム恐竜博物館で白亜紀の世界にタイムスリップ
- 家族連れに人気の教育的観光スポット
おすすめポイント: 実際の発掘現場見学と化石レプリカ作り体験は子供から大人まで楽しめます。
サコンナコーン(สกลนคร)
- 仏教とキリスト教が共存するタイでは珍しい宗教的多様性
- ノーンハン湖の景色が綺麗
- 精進料理と地元の川魚料理の両方が味わえる
おすすめポイント: 異なる宗教施設の見学と、タイ伝統の藍染め布「ムードミー(Mudmee)」の手染め体験ができる。
アムナートチャルーン(อำนาจเจริญ)
- ウボンラーチャターニーから1993年に分離独立した比較的新しい県
- 信仰心の篤い地域で美しい寺院が点在
- 商業的観光地化されていない本当の田舎の素朴さ
おすすめポイント: 仏教寺院、田舎の風景が心を落ち着かせてくれる地域です。
ノーンブアランプー(หนองบัวลำภู)
- 知る人ぞ知る隠れた名所が散在する穴場エリア
- プー・トック洞窟群での洞窟探検とコウモリ観察
- 地元の人々の等身大の暮らしぶりが垣間見える
おすすめポイント: エラワン洞窟は、ノンブアランプーで美しい鍾乳洞が見られる洞窟です。
🎒 イサーン旅行の実用的なコツ
ベストシーズン
11月〜2月: 乾季で気温も穏やか、祭りやイベントも多い最適な時期
3月〜5月 : 花の季節だが暑さが厳しく、午前中の観光がおすすめ
6月〜10月: 雨季だが緑が美しく、雨上がりの清涼感が魅力



